Merci d’être venu!!
パリ公演、無事に終演致しました。なんと100人ものお客様にご来場いただき、予想を遥かに超える大盛況でした。
今回は大学の先輩でもある江里さんとのジョイントコンサートという形でやらせていただきました。実は日本では共演したことがないのですが、開演1時間前にザッと通して初めて合わせただけにしては、息の合ったアンサンブルができたのではないでしょうか笑。そして、パリ在住ということで何から何までコンサートのコーディネートをお任せしてしまい、恐縮しつつ、心から感謝しています。大変お世話になりました、本当にどうもありがとうございました!
打ち上げで連れて行ってもらったビストロも素晴らしかった。特に名物の羊肉のステーキは、テーブルに登場するだけでものすごい存在感。臭みが強いかと思いきやそんなことはなく、とても美味しくいただきした。
13年前の留学の際に大変お世話になった山中さんご一家は、プロになった今もパリ公演のたびに力になって下さっていて、今回は息子の悠歩くん(僕の大学の同級生でもあります)にコンサートスタッフまでやらせてしまいました笑。文句一つ言わずにニコニコとお客様の対応をしてくれたばかりでなく、終電ギリギリまで付き合って最寄りの駅まで送ってくれたりと、これ以上なく心強い同行者でした。
また、2年前のパリ公演にご来場いただいてから一家総出で僕の大ファン、と言って下さっているケヴィン夫妻は、今年も来てくれました。2年ぶりの再会に心躍りましたし、最前列で真剣に聞いて下さっているお二人の姿を見て、演奏中にどれだけ勇気づけられたことでしょう。
今回のコンサートでもオペラ座の怪人をプログラムに入れたのですが、せっかくのパリなので何かインスピレーションを、と思い、前日にオペラ座の怪人の舞台であるオペラ・ガルニエでバレエを観てきました。カルメンをかなり前衛的にアレンジしたもので、とても楽しむことができました。そしてやはりオペラ座は内装が素晴らしい…。
また、最近話題になっている「駅ピアノ」も弾いてきました。さすが本場、どこの駅や空港に行っても必ずピアノが置いてあり、パリジャンたちがひっきりなしに弾いているので、奪うのが大変でした。笑
今回のフランス滞在時間は72時間というかなりの弾丸ツアーだったんですが、無理やりプロヴァンス観光も詰め込みました笑。でも行ってよかった!ラベンダーとひまわりが満開で、それはそれは素晴らしい景色を堪能することができました。
また、ゴッホゆかりの地を回ったりも。ゴッホが入院していた精神病院が併設されているサン・ポール・ド・モーゾール修道院のあるサン=レミや、ゴーギャンとの短い共同生活を送ったアルルには、彼の有名な絵画のモチーフとなった景色がたくさん残されていました。
レ・ボーでは、ゴッホとジャポニスムをテーマにしたプロジェクションマッピングも見ることができました。プロジェクションマッピングというものは見たことがなかったのですが、絵画を動的に扱ったり、練りに練った音楽とのコラボレーションがあったり(葛飾北斎の波の絵が激しく動く中でドビュッシーの海が流れた時は鳥肌が立ちましたし、ゴッホ晩年の劇的な展開にブラームスのピアノコンチェルト2番2楽章を合わせてくるのには感心してしまいました)、予想以上に心震わす展示でした。
南仏の珍しい食材(古代小麦プチ・エポートルや、現地でしかいただくことのできないブルス・ド・ローヴというフレッシュチーズ、そして全ての部位を存分に味わえる鴨料理などなど)を使ったディナーも本当に美味しかった。
2年前のヨーロッパ演奏旅行の時にも同じことを感じましたが、やはり旅は音楽家を成長させてくれるものだと思います。緊張とストレスで4日間ほとんど眠れなかったりと、辛いこともなかったわけではないですが、やっぱり旅をして演奏をして、そうすることでしか得ることのできないものは非常に多い。そして旅の醍醐味は、たくさんの出会いです。今回も様々なバックグラウンドの方と知り合うことができ、また一つパリに行く楽しみが増えました。
江里夫妻はじめ、今回の訪仏にあたってお世話になった皆様、ご来場下さった皆様、本当にどうもありがとうございました!