バルトホール リサイタル

リサイタルが無事に終演しました。

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1年以上ぶりの開催でした。プロになってからこんなに間があくのは初めてのことで、本番前のしばらくは情緒不安定にもなり辛い日々でしたが、それをようやく脱け出すと、今回ほど本番が楽しみだったこともありませんでした。

多くの音楽家の方がおっしゃっていますが、こんなに深く自分自身と対話する時間を持てたのは、とても貴重なことだったと思います。自分自身の音楽、そして音楽家としての自分、というものが以前より確立された実感があります。

今回は、ショパンにラフマニノフ、ドビュッシー、そして私の代表曲であるオペラ座の怪人と、逃げも隠れもしない真っ向勝負のようなプログラム構成にしました。頻繁にリサイタルを開催していた頃は、コンサートごとに趣向を変えてみたり、新しいことに挑戦してみたり、と色々やっていましたが、おそらく今年最初で最後になる大切な大切なリサイタル、小細工は無しで挑もうと決めました。

メインはバラードの4番。数多のショパンの作品の中でも、音楽的にも技術的にも最高峰に位置する作品です。この曲を人前で弾くというのはとても恐ろしいことでしたが、やってよかったと思います。ショパンは私の人生において、常に一番近い所にいてくれます。

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このようなご時世で、いくら感染症予防をしての開催とは言えやはりお誘いするのも心苦しく、来られない方も多かったですが、そんな中でも100人ものお客様にご来場いただきました。コンサートができることが当たり前ではない時代に、こうしてたくさんの方に同じ場所で同じ時間を共有していただけるということの幸せを、心から噛み締めながら弾いていました。私はなんて幸せ者なんだろう、と。

改めて、ご来場下さったお客様、関係者の方に心よりの御礼を申し上げます。今日は本当に幸福で満ち足りた一日になりました。

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